洋風スープ

海の恵みがぎゅっとつまった「ブイヤベース」とは

海の恵みがぎゅっとつまった「ブイヤベース」とは

ブイヤベースとは、南フランスのプロバンス地方の中でも地中海沿岸にある漁師町に伝わる魚介類を使った海鮮寄せ鍋料理をいいます。とりわけ観光地としても有名なマルセイユでは、ブイヤベース憲章とも呼ばれるマルセイユ市が認めた料理レシピまであるほどです。おまけにこのブイヤベースは、トムヤンクンやふかひれスープ・ボルシチと並ぶ世界三大スープの一つともいわれています。ここではそんな海の恵みがぎゅっとつまったブイヤベースについてご紹介いたします。

ブイヤベースがどうして世界的にメジャーになったのか

元々は漁師町の漁師飯

ブイヤベースは、元々は地中海沿岸にある漁師町の漁師飯や家庭料理のような類のものでした。とりわけ漁師町では、市場に売りに出せないような傷んだ魚や見た目の悪い魚、トゲのある魚などが沢山水揚げされます。ところが魚の扱いにたけた漁師の場合、そんな商品にならない魚でも漁師飯として各々の家庭でうまく調理をして食べることができるのです。

味付けについても、様々な魚介類を大鍋に入れて塩だけで茹で上げるという簡単な調理方法が一般的です。しかしながら何せ素材が新鮮なので、そんな簡単な味付けでも美味しくいただくことができるのです。まさに漁師飯ならではの新鮮な魚介類を使った豪快な料理から誕生したのがブイヤベースということになります。

17世紀以降転機を迎えたブイヤベース

17世紀以降になると、南米から様々な野菜が輸入されるようになります。中でもトマトは、その味の良さからブイヤベースを始めとして様々な料理に使われるようになりました。おまけにトマトとの相性の良いブイヤベースは、今日ではブイヤベースには欠かせない材料ともなっていったのです。

さらに19世紀には、マルセイユが観光地化されるようになります。そのためマルセイユにある各レストランでは、昔からの郷土料理ともいえるブイヤベースをお店の看板料理として観光客に提供するようになりました。そして今日では、改良に次ぐ改良を加えたブイヤベースが世界三大スープの一つといわれるまでに至ったのです。

美味しいブイヤベースの作り方

簡単に作れるブイヤベース

ブイヤベースといえば今では世界的にも有名な海鮮料理なので、それを食べただけで気分は地中海に行った気分になれます。そんなブイヤベースを誰でも簡単にできる調理方法ですが、魚介類はイカやアサリ・タラなどを使います。とくにアサリは、水につけて砂を吐かせておくのがポイントです。

そしてまずは玉ねぎやニンジンにニンニクとセロリを加えて軽く炒めます。そこに魚介類を加えてワインで煮ます。沸騰してきたら水や潰したトマト・コンソメや固形ブイヨン・スープの素等を加えてさらに煮込みます。とりわけトマトは、今日のブイヤベースのスープには無くてはならない材料なので忘れてはいけません。最後は、塩や胡椒で味を調えたら完成です。

市販のブイヤベースの素を使う

すでに市販されているブイヤベースの素を使うと、自分の好みの魚介類や野菜を加えて煮込むだけで本場南フランスのスープ料理・ブイヤベースを味わうことができます。こうした鍋料理に関しては、ブイヤベースに限らずお相撲さんがよく食べるちゃんこ鍋やチゲ鍋・もつ鍋などにおいても専用のスープの素が売られています。

こうした専用のスープの素を使うだけで、専門店と変わらない鍋料理を楽しむことができます。とりわけ料理には自信がないという方であっても、こうした専用のスープの素を入れて後は適当に野菜や具を入れれば専門店顔負けの鍋料理が出来上がります。一度試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ブイヤベースが世界的に有名になるに至るまでの歴史から簡単調理方法までご紹介いたしました。ブイヤベースという名前だけはどこかで聞いたことがあるのだけれど、いったい何なのかが分からないという方もご理解いただけたのではないでしょうか。